公務員の退職

「公務員辞めるのもったいない」を真に受ける必要は1ミリもない

公務員を退職したいと家族や友人に相談すると、「せっかく公務員になったんだからもったいない」と高確率で言われます。特に昭和を駆け抜けた親世代は百発百中です。

たしかに公務員の安定した待遇や給与は魅力的です。公務員ですらそう感じるのだから、一般の人からしたら公務員を辞める選択は愚かだと思うのでしょう。

それを聞いて「試験勉強も頑張ったし、やっぱり公務員で生きるべきなのかな…」と迷いが生じる人もいるでしょう。

ですが、正直言ってそんな言葉に耳を貸す必要なんて微塵もありません。的外れな思考回路から導き出された意見など無視して結構。

本記事では、「公務員辞めるのもったいない」というフレーズが、いかに説得力がないかを元県職員の視点で解説していきます。

「公務員を辞めるのもったいない」と考える人の心理

まず最初に、「公務員を辞めるのもったいない」と発言する側に悪意はありません。本気でそう思っているだけで、あなたのことを大切に考えているからの言葉です。

親なんかは子供の幸せを願っているので、彼らの気持ちを察することも大切です。退職を応援するだけが理解者ではないですよ。自分のことを心配してくれているんだと感謝しましょう。

 

では、本題。

 

なぜ公務員を辞めることがもったいないと考えるかというと

  • 公務員は給与が安定しているイメージ
  • 仕事をやめると不幸になる
  • 景気が良くならない日本社会への不安
  • 転職しても公務員以上の待遇はないと思っている

予想どおり、このような価値観を持っているからです。

世間では公務員ブランドの威力はまだまだ衰えていません。試験を合格して手に入れた公務員という肩書きを捨てることは、日本人の『もったいない精神』を駆り立てるのでしょう。

人間というのは、過去の栄光や実績を簡単には切り捨てられないもの。これまで積み重ねてきたものを捨てて、ゼロからやり直すことを割り切れないのです。

 

そして、いまだに終身雇用が当たり前と考える日本では、組織を抜けると痛い目に合うイメージが強いです。成功するのは才能がある一握りで、ほとんどの凡人は不幸になると考えられています。

また、「転職すると年収が下がる」と考える人は多いです。特に公務員は民間企業だと使えないイメージがあるため、公務員を辞めたら今よりずっと待遇が悪くなると結び付けられるのです。

要するに、「てめぇみたいな無能な奴は公務員以上の人生を送ることはできないから、嫌でもしがみついていろ!」ということです。失礼、言葉が粗くなり過ぎました…

 

まとめると、「公務員を辞めるのもったいない」という発言の背景には、昔から続く公務員のブランド力と一般的な世間の価値観が潜んでいるのです。

極端な話、昭和時代のイメージだけで発言しているようなもの。携帯電話がない時代からの伝統的な価値観が根拠になっています。

時代遅れの根拠なのは誰の目から見ても明らかですね。今の時代、お金を稼ぐ選択肢は転職だけではありません。

凡人は視野が狭すぎて公務員を過大評価している

世間様は、公務員を過大評価しすぎています。隣の芝が青く見えるのはわかりますが、誰もが公務員になれば幸せを手に入れるわけではありません。

しかし、公務員という肩書きは、職業ランク的には上流階級くらいに思われています。いまだに男性が公務員限定の婚活パーティに人が押し寄せますからね。

 

たしかに地方では待遇面で公務員以上の就職先は少ないですが、これって『安定雇用・安定した昇給』の視点から見た価値観でしかありません。これだけで人生を評価するのは危険です。

結局、世間が狭い人ほど『仕事=就職』と考えているので、公務員の待遇に大きなメリットを感じているに過ぎないのです。

自分は人生経験が豊富だと思っている年配の人ほど、時代の流れについていけていないことに気づいていません。

 

働き方が多様化している現代、安定雇用の価値はかなり下がってきています。

特に自分で物事を考えて行動できる人は、お金を稼ぐ手段なんていくらでもあるので、我慢して嫌な仕事にしがみ続ける理由は薄いです。

視野が狭い人の意見を鵜呑みにして、自分の人生を決めるなんて馬鹿馬鹿しいと思いませんか?

公務員を辞めない方がいい人もいる

とはいえ、すべての公務員が退職したら幸せになれるかは別問題です。中には「公務員を辞めるのもったいない」を真に受けて公務員を続けた方がいい人もいます。

冷静な判断ができない状態のときに勢いだけで決断すると、あとで後悔するパターンも珍しくありません。公務員のメリットに目を向ければ、いくらでも割り切れる要素はありますから。

本記事で僕が伝えたいことは、あくまで「公務員を辞めるのもったいない」に惑わされないでほしいということです。公務員の退職を推奨しているわけではないので誤解しないでくださいね。

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個人的には、『何事も人任せなタイプ』や『行動より頭で考えるタイプ』、『やりたいことが明確にない』のいずれかに当てはまるなら公務員を退職しない方がいいと思います。

もちろん、人生なんてやってみないとわからない部分が大きいので、自己責任でチャレンジしてもいいです。誰にも迷惑かけないのであれば、何をしても本人の自由ですから。

ただ、家族がいる人にとっては自分だけの問題じゃないので、話し合いながら自分の気持ちと生活に折り合いをつけていくのが望ましいですね。

 

ちなみに、僕が公務員を辞めたときのステータスはこんな感じです。

  • やりたいことが若い時にしかできなかった
  • お金を稼ぐまでの道順を具体的に描いていた
  • 無職でも2年間は生活できる貯蓄があった
  • 公務員時代にスキルを磨いていた
  • 自分に自信があった(これ重要)

これを見るとわかりますが、僕は下準備を整えてから公務員を退職しました。結婚していなかったので、自分の判断だけで決断できたのも大きかったです。

あなたが今の職場で取り返しのつかない健康被害が出ているなら話は別ですが、転職先を見つけたりフリーランスで月5万ほど稼げるスキルを身につけてからのほうが精神的にかなり楽です。

「仕事がつまらないから辞めたい…」くらいのレベルだったら決断は慎重にしましょう。公務員以外の仕事は楽しいというのは幻想でしかありませんよ。

 

まぁ無職からのスタートでも意外と何とかなるもんですけどね(笑)

 

とはいえ、自分の人生なので総合的に判断してください。間違っても他人の意見を根拠に仕事を辞めるとかだけは避けたいところです。

自分の人生は自分で決めましょう!